損益分岐点比率とは何か

損益分岐点売上高をつかった経営分析の一つに損益分岐点比率があります。計算式は、つぎのとおりです。

損益分岐点比率(%)=(損益分岐点売上高÷売上高)×100

この比率は、小さい数字ほど良いことになります。これは、売上高と損益分岐点売上高の数字が離れているほど、利益を確保しているからです。反対にこの数字が大きくなるほど、経営は苦しいことになります。利益が確保しにくい経営状態であるからです。

 

変動費と固定費の業界データを知る

 

変動費や固定費は、各業界によって、特色があります。ここでは、中小企業庁が公表しているデータを参考にざっくりした業界データを表記します。

項目/業界 全産業 建設業 製造業 卸売業 小売業
変動費(%) 74.8 81.1 78.2 83.2 73.1
固定費(%) 23.1 17.3 18.9 16.2 26.0

 

 

 

限界利益とは何か

 

売上高から変動費を差し引いたものを限界利益といいます。

この限界利益は、決算書のどこにも記載されていない利益になります。しかし、経営分析をするうえでは、非常に大切な知識になりますので、この機会に理解しましょう。

・変動費と固定費を考える

変動費は、売上高に比例して増減する費用です。仕入商品に代表される費用になります。そもそも仕入業者から商品を仕入れなければ、お客さんに商品を売ることができません。経営者の視点に立てば、変動費というものは、売上と同時に考えるべき費用ということになります。具体的には、商品を売り上げると同時に、新たな商品の仕入を考えなければならないということになります。

 

固定費は、売上に比例せず、一定額定期的に発生する費用です。オフィス賃借料は代表的な固定費になります。経営者の視点に立てば、変動費の次の段階で考えるべき費用ということになります。具体的なイメージとしては、ネットを使った商品販売業においては、全国どこに拠点をおいても商品の売上に影響はありません。家賃の高い東京であろうと、家賃の安い地方であろうと、どちらでもよいわけです。

 

・限界利益の考え方

限界利益が、固定費よりも多い場合、会社は儲かった、ということになります。反対に限界利益が、固定費よりも少ない場合、赤字ということになります。しかし、一方で、限界利益自体が黒字であるかぎりは、固定費の一部を回収できている、という事実があります。部門別の収支計算においては、この点が盲点になりがちです。すなわち、限界利益が固定費を下回ったからといって、その事業部門や営業所の閉鎖の判断は早急だということです。

 

限界利益を考える

・限界利益の4パターン

 

項目/会社 A社 B社 C社 D社
売上高 100,000 100,000 100,000 100,000
変動費 200,000 400,000 100,000 120,000
限界利益 800,000 600,000 0 ▲20,000
固定費 500,000 800,000 400,000 600,000
営業利益 300,000 ▲200,000 ▲400,000 ▲620,000

 

 

[解説]

 

A社は、事業活動において、営業利益を生み出している良好な経営状態といえます。

B社は、限界利益は、黒字ですが、その限界利益で固定費を回収できていません。固定費の見直しが必要です。

C社は、限界利益がプラスマイナス0円です。事業活動を存続させてもさせなくても同じということになります。

D社は、限界利益が赤字です。この状態で、事業活動を継続させても赤字が増えるだけです。

 

 

・限界利益率を使った損益分岐点売上高

 

限界利益率は、以下の計算式になります。

 

限界利益率(%)=(限界利益÷売上高)×100

 

この限界利益率をつかった損益分岐点の計算式は以下のとおり。

 

損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

 

目標利益確保のための計算方法とは